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いろはにほいく ちえぶくろ ㉑
子育てしやすい社会のために保育所整備と保育環境の改善を

岩狭 匡志 (大保連副会長)


子どもを産みやすい国と思うか?

 政府が6月に公表した「令和3年版少子化社会対策白書」では、日本、フランス、ドイツ、スウェーデンの4か国の20歳から49歳の男女を対象に、少子化社会に関する国際調査が紹介されています。
 この中で「子どもを産み育てやすい国だと思うか」と尋ねたところ「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人をあわせると、スウェーデン97%、フランス82%、ドイツ77%だったのに対し、日本は38%にとどまっています。同設問の「理由」では、「各種の保育サービスが充実しているから」と回答したのは、スウェーデン74・5%、ドイツ58・4%、フランス54・4%、日本37・9%となっており、全13項目中の11項目について、日本以外の3か国の回答割合が高くなっています。
 フランス、スウェーデン、ドイツは、一定の取組みにより日本よりも出生率が高くなっていることから、子育てしやすい社会とするために学ぶべき点が多くあります。
 また、財務省のシンクタンクである財務総合政策研究所が、少子化の背景や政策的効果について調査した「人口動態と経済・社会の変化に関する研究会」報告書を6月に公表しています。
 この中で、東京大学の山口慎太郎教授の「少子化対策のエビデンス」によると、「児童手当や保育所整備といった家族政策は出生率を引き上げる」「より効果的な少子化対策を行うにはジェンダー平等を達成する必要があることが指摘されており、待機児童対策や男性育休取得促進などで女性の子育て負担を減らすような政策が特に有効」と述べています。
 一方、厚生労働省は「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会」を5月から開始しており、保育所の利用児童数が2025年にピークとなる資料を示し、国としてピークの減衰に対応した制度・政策を検討することが予測されています。
 コロナによる急速な少子化の進行の影響も加わり、利用児童数の減少で待機児童解消は進むのでしょうが、都市部を中心に保護者が希望した保育施設を十分に選択できる状況でもないことから、各調査で明らかになっている保育所整備などの対策で、子育てしやすい社会を実現し、少子化対策を進めることが必要です。さらに、ピークの減衰局面だからこそ、これまでの保育の量の確保に奔走し、質の確保を置き去りにしてきた取組みを改め、子どもの権利や発達の視点からの取り組みに大きく転換することが求められます。



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