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保育をめぐる情勢
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規制緩和で保育は良くなったのか

岩狭 匡志 (大保連副会長)


 2021年度から始まる「新子育て安心プラン」では、待機児童を解消するため条件付きで短時間勤務の保育士だけでのクラスの運営を認めるなどの規制緩和が予定されています。
 保育はこれまでも待機児童対策などの量的拡充のために様々な規制緩和が行われてきました。例えば、1998年度に短時間勤務保育士の活用と定員超過入所の運用が始まり、以後数度にわたり拡大適用されています。また、2000年度には企業参入に舵を切り、2001年度には待機児童の定義変更(対象が狭くなる)もされています。この他にも約20年間ににわたり様々な規制緩和がされています。
 これら規制緩和によって保育は良くなったのでしょうか。たしかに一定の量的拡充はされましたが、保育需要の拡大に対応ができず、2020年4月現在でも保育利用を希望しながら認可施設等が利用できない子どもは全国で10万人弱となっています。
 量的対応を規制緩和により対応してきたことから、職員配置はほとんど改善されず、短時間保育士が増える中で、常勤保育士への負担が増え、保育士不足の原因につながっていると考えられます。また、詰込み保育や園庭なし施設などを認めてきたことから、保育環境そのものの改善も一向に進んでいません。さらに、認可、認可外ともに保育施設での重大事故が増加傾向にあることも無関係ではないと思います。
 このような状況でも、献身的な努力により豊かな保育実践を行う施設もありますが、制度や基準そのものがどんどん緩和されるもとでは、保育全体の質に悪影響をおよぼし、一部のがんばりだけではどうにもならない事態になっているのが現状です。
 量のために質を犠牲にするのでは保育はよくなりません。量も質もともに良くすることが保育そのものを豊かにし、子どもの最善の利益にもつながります。多くの保育関係者に規制緩和に反対する声を広めて、保育の基準を抜本的に改善させるための取り組みをすすめていきましょう。



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