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保育をめぐる情勢
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いろはにほいく ちえぶくろ [15]
2019秋の大運動署名のポイント
すべての子どもに格差なく

岩狭 匡志(大保連副会長)


 消費税率10%への引き上げに伴う増収分の一部を活用した幼児教育・保育の無償化が10月から始まりました。無償化に伴う予算は年間約7800億円必要です。これだけお金をかけるのに保育そのものが良くなることはほとんど期待できません。良くなるどころか、給食費の実費徴収拡大問題や、基準を下回る認可外施設等の安全問題が山積しており、さらに便乗値上げや保育ニーズの拡大なども指摘されています。
 かたや、保育士不足や保育施設の整備不足の問題は一向に解決されません。
 保育士不足の大きな要因は全産業平均と比べ月約10万円も低い保育士の賃金です。さらに、幼稚園(1号認定)との公定価格(子ども一人あたりに必要な費用)や職員配置でも格差が放置され、現場の努力だけでは対応できません。例えば、学級担任制の幼稚園では、4歳児が15人でも教員1人を配置できますが、保育所では0・5人分の予算しかないなど、幼・保で職員配置に格差があります。同じ子どもへの対応なのに格差が存在することから、実態をふまえた公定価格(保育費用)の改善が必要です。
 また、国の待機児童の対応は規制緩和や基準の切り下げをすすめており、地域・施設間の格差が広がり、保育の質の低下も懸念されています。待機児童はなくしたいけれど、どんな施設でもいいわけではありません。安全で、子ども一人ひとりの成長・発達が保障される条件整備こそが不可欠です。
 さらに、無償化の問題を改善させることや、働き方改革に伴う子育てしやすい労働環境への改善も必要です。
 今年の署名のポイントは、①どの地域、どの施設でも、すべての子どもに格差なく、質の高い保育が保障されること、②そのために必要な保育・学童保育関係予算の大幅増額と、施策の拡充を求めること、です。
 無償化の問題を明らかにしつつ、格差を解消し、基準や条件、処遇全体の底上げをすることで、すべての子どもに質の高い保育を平等に保障することを求めていきましょう。



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