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保育をめぐる情勢
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いろはにほいく ちえぶくろ ⑯
大津散歩事故で「保育体制強化事業」が拡充

岩狭 匡志(大保連副会長)


 今年2月、さいたま市プール女児死亡事故(2017年8月)の刑事裁判で、当時の保育園の園長と保育士(監視役)に禁固刑(執行猶予付き)が言い渡され、松江市では節分の豆をのどに詰まらせ4歳の園児が死亡、大阪市では昼食中に異変があり1歳2か月の園児が死亡したと、保育施設での死亡事故が続けて報道されています。
 保育中の安全確保が求められているなかで、昨年5月の大津市の散歩事故を契機に国が「保育体制強化事業」を拡充させることから、その内容と課題について考えてみます。
 「保育体制強化事業」は、保育に係る周辺業務(清掃、消毒、給食配膳、寝具用意、片付け等)を行う者(保育支援者)の配置を支援し、保育士の業務負担の軽減を図るとして2014年度から実施されています。当初は、待機児童解消加速化プランに参加している市町村の保育所にのみ月額9万円補助されていましたが、2018年度から全ての市町村に拡充され、幼保連携型認定こども園も対象に加わりました。そして、2019年度から補助が月額10万円に拡充され、周辺業務に「外国人の児童の保護者とのやりとりに係る通訳」も追加され、今回、2020年度予算案では、保育支援者が「園外活動時の見守り等」※にも取り組むと月額15万円となるほか、「キッズ・ガード」(有償ボランティア)への謝金等を補助(月額5万円)することで、保育所外等での活動において、子どもが集団で移動する際の安全確保を図るとしています。(※「等」については「園外活動経路の事前確認やお散歩マップ作成」が想定されているとのこと)(補助割合は、国:1/2、都道府県:1/4、市区町村:1/4又は国:1/2、市区町村:1/2)
 散歩への対応で事業拡充されることは良いことですが、プール、睡眠、食事の際にも死亡事故につながる事例があることから、散歩と同様に対象とさせて体制強化させることなどが必要です。また、「保育体制強化事業」には、小規模保育事業や幼保連携型以外の認定こども園は対象外となっていることから、施設・事業によって安全性向上の取り組みで格差を生じないようにすることも必要です。(報道によれば、大阪市は小規模保育事業にも独自で「キッズ・ガード」配置推進をはかるとのこと)
 さらに、大阪府内における「保育体制強化事業」の実績は、2017年度で157園だけで、予算確保しても十分活用できていないことから、各自治体や各施設において幅広く活用させることも必要です。



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