抗菌シートの効果って?
吹田市片山保育園調理師 矢持 貞子
いよいよ梅雨の季節です。じめじめと湿気が多く、気温が高くなるこの時期からまだまだ暑い9月にかけては最も食中毒が発生しやすい時期です。最近冬を中心にカキなどの二枚貝が原因と思われるウィルス性の食中毒(=ノロウィルス)が急増していますが、細菌性食中毒の発生が最も多いといえます。細菌性食中毒は腐敗のように色・香り・味などに変化があるものと違い、食中毒菌によって汚染された飲食物によっておこる中毒です。
最近ワサビの成分などを利用した抗菌作用のあるお弁当シートやシールが市販されていますが、これは雑菌の繁殖を抑えるもので、腐敗を防ぐものではないようです。これをお弁当に入れたら絶対食品の腐敗や食中毒を予防できて安心と過信せず、お弁当をつくる時にも「食中毒予防の6つのポイント」を守り、暑いものはさましてからつめる、車のトランクや野外の陽のあたるところなどに置きっ放しにしない、できるだけ早く食べるなどを心がけて楽しいお弁当タイムにしてほしいと思います。梅干しを入れて炊いたさっぱりとした「梅ごはん」をお弁当にいかがでしょうか。
『保育園の食事&健康だより』食べもの文化編 編集部(芽ばえ社)参考
伝染病と予防接種
東大阪・生協こども診療所(小児科医師) 春本 常雄
だれしも、 伝染病や風邪にかかって熱や咳がでるのはイヤですね。
とくに、 わが子がかかると、 とても心配になりますね。
ところで、 インフルエンザでもおたふくでも、
周りの子がかかっているのにかからない子もいます。
ウイルスがからだの中にはいっても、 体調がよかったり抵抗力が強かったりした場合、
あまり症状が出ずに自然に治ってしまうからです。 しかも、
免疫力が身につき、 次の機会にはかかりにくくなります。
このようなものをむずかしい言葉で
「不顕性感染 (ふけんせいかんせん)」
と言います。 「もうけもん」 です。
予防接種というのは、 わざと 「不顕性感染」
を起こすものと考えていいでしょう。 体調のいいときに弱めたウイルスをからだの中に入れて、
免疫力をつけるようにします。
予防接種は、 マスコミなどで副反応ばかり強調される傾向にありますが、
子どもの病気や死亡を少なくするとても大切なものです。
例えば、 麻疹 (はしか) は発展途上国ではもちろん、
日本でも死亡することがあるこわい病気ですが、
予防接種先進国、 例えばアメリカでは輸入感染症 (=日本でいうマラリアやコレラといった外国から来る病気)
になっていて、 ほとんど存在しません。
乳児期にBCG・ポリオ・三種混合ワクチン、
1歳の誕生日にはMR (麻疹風疹混合)ワクチンをぜひ受けてください。
保育所で他の子どもにうつしてしまうことがないよう、
できるだけ早い時期におねがいいたします。
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